代官山でヨウジさんの回顧展をやっていると知り、行ってきた。
私の仕事の原点がそこにある。
懐かしい洋服たち、
懐かしいアトリエの顔、
営業マン、
パリコレ、
もう思い出でしかないけど
あの偉大なブランドに関われたことに誇りを持ちたく思う。
ヨウジヤマモトを売っていたときの私は、
今とはまるで別人です。
青かった。
テクニックはなく、
無知。
やる気だけがあり、
根拠のない自信のかたまり。
尖っていて、
笑ってかわせる余裕がない。
最悪ですね。笑
でもたくさんの顧客を抱えていたのは、
ブランドの力です。
当時は自分の力と勘違いしていました。
今ヨウジさんの洋服を見るたびに、
その頃を思い出して穴があったら入りたくなります。
今だったらどう売るかなぁ。
なんせ洋服のテーマが
「世の中のはみ出し者」なので。笑
守りに入ってると売れない服。
普通に生きている人には説明できない服。
どんな服やねん、
と思うでしょ?
ほんとにそんな服。
アートなんですよ。
だから気概がないと服に負けるわけ。
今だから理解できることがたくさんあります。
でももう売れないでしょうね。
私は着心地の良い服を知ってしまった。
ヨウジさんの洋服は着心地が悪いです。
なぜか?
そんなところに照準をあててないから。
世の中を皮肉り、
金持ちを嘲笑い、
少年の心のように、
冒険と挑戦の連続。
そんな洋服に最高級の服地は意味がないんです。
ゴワゴワでガシガシ。
初めからしわくちゃ。
洗えない。
重い、固い。
そんな生地ばっかり。笑
よく売ってきたなぁ〜。
好きな人はまだ持ってるでしょうね。
私は過去と決別するために、
全部手放しました。
でもいくらでも話せる。
今売っている洋服よりもずっと語れる。
そんな服です。
いつまでもお元気で。
セントアイランド株式会社
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